2013年10月29日火曜日

「ダサソー」使用OK=ダイソー商標権侵害せず-韓国

2013年10月29日付の時事ドットコムの記事によると、日本の100円ショップ「ダイソー」の韓国の商標権者が、同国の格安雑貨店「ダサソー」の運営会社などを相手に起こした商標権侵害禁止訴訟で、ソウル西部地裁は29日、原告敗訴の判決を下したとのこと。


時事ドットコムの記事はコチラ


記事によると、「ダサソー」が韓国南東部の慶尚道方言の「全部買って」と発音が近い点に触れ、「二つの商標は、発音や観念が違い、商標権を侵害するとみなすことはできない」と説明したそうです。



しかしながら、ソウル西部地裁の判決は、一般的な商標の類否判断手法から見て全く理解し難いと、言わざるを得ません。


まず、商標の類否判断は、「外観」、「称呼(読み方)」「観念(意味)」の3要素を基準に総合的に判断しますが、原則として一つの要素でも類似すれば、商標は類似と判断されます。そして、3要素がすべて異なれば、商標は非類似です。


つまり、対比される二つの商標の「称呼(読み方)」や「観念(意味)」が異なっても、「外観」が類似していれば、「両商標は類似」と判断されます。


記事から判決の詳細内容を理解することはできませんが、記事だけを読むと、ソウル西部地裁は「発音」と「観念」が異なるだけを基準に判断しているように思います。つまり、ソウル西部地裁の判決は、「称呼」と「観念」の違いからのみ判断しており、上記の3要素の「外観」についての判断が完全に抜け落ちているように思います。


当該事件の概要については、以前に書いた記事でも触れましたが、「ダサソー」と「ダイソー」のハングルにしたときの文字の形は大変似ており、両商標は類似しているように思います。

「ダイソー」(上)と「ダサソー」(下)


ダイソーには、是非控訴して、高裁で頑張ってもらいたいところです。

以上
(弁理士 森本聡)

<a href="http://samurai.blogmura.com/benrishi/" target="_blank">にほんブログ村 弁理士</a>


2013年6月26日水曜日

ゴルフと知的財産権(その4)-キャロウェイゴルフのXホットドライバーに採用されている特許について-

キャロウェイゴルフ(Callaway Golf)と言えば、今年、石川遼プロと用具、アパレル契約を結んだ、米国の著名なゴルフメーカーです。


キャロウェイゴルフのホームページ(英国)の「PATENT(特許)」のページには「キャラウェイゴルフが、毎年、数千万ドルを研究と設計に費やしていること」「毎年、100件以上の特許出願をしていること」などが記載されています。


また、このページには、現在キャロウェイゴルフが販売しているドライバー、パター、アイアン、ボールなどに採用されている発明を見ることができます(このページは、ある種の仮想特許表示(virtual patent marking)であるのかもしれません。)。

「virtual patent marking」についてはコチラの記事を参照して下さい。


例えば、「Xホットドライバー」の欄には、以下のような特許番号が記載されています。
8403770
7137907
D682、378
D682、965


特許84063770号について

この特許発明には「Adjustable golf club shaft and hosel assembly」という名称が付けられています。直訳すると、「調整可能なゴルフクラブのシャフトとホーゼル部品」となります。なお、「ホーゼル」とは、クラブヘッドとシャフトとを連結するための部品です。







この特許発明は、クラブヘッドとシャフトとの連結角度を多元的に調整することができるホーゼル(軸さや部品)に関するもののようです。

Xホットドライバーの弾道調整機能は、この特許発明に係るホーゼルによって得られる機能のようです。

特許第7137907号について

この特許発明には「Golf club head with variable face thickness」という名称が付けられています。直訳すると、「フェースの厚みを変更することができるゴルフクラブヘッド」となりますが、むしろ、「フェースの厚みが(部分的に)異なるゴルフクラブヘッド」と訳した方が適切かもしれません。


この特許発明では、フィースのX字状、或いはH字状の第1領域(200)の厚み寸法が、第2領域(205)の厚み寸法よりも0.025インチ以上厚いことを特徴とします。

Xホットドライバーは300ヤード以上飛ぶそうですが、驚異的な飛距離の秘密は、このフェース面に関する発明に拠るところが大きいようです。


意匠特許D682、378について

この意匠特許は、先の特許84063770号のホーゼル(軸さや部品)のデザインに関するもののようです。
意匠特許D682、965について

この意匠特許は、ホーゼルを構成する主要部品のデザインに関するもののようです。

以上のように見てみると、キャラウェイゴルフのXホットドライバーには、ヘッドとシャフトとの可変的な連結構造と、フェースの厚みについての発明や意匠が採用されていることがわかります。

Xホットドライバーを持っておられる方は、是非一度、特許発明や意匠の内容を確認してみてください。

以上です。
(弁理士 森本聡)

関連記事

■ ゴルフボールの意匠について(ゴルフと知的財産権 その1)

■ ゴルフコースのレイアウトの発明(ゴルフと知的財産権 その2)

■ ゴルフコースのレイアウトの発明(ゴルフと知的財産権 その3)


当ブログでは内容を分かり易く発信することを優先しております。
したがいまして、法律的には正確とは言えない表現を用いている場合もあります。

<a href="http://samurai.blogmura.com/benrishi/" target="_blank">にほんブログ村 弁理士</a>