2013年4月4日木曜日

ゴルフと知的財産権

ゴルフ用具は日々進化しており、私の周りのゴルフ好きにも、新しいクラブが販売されるたびに、熱心に試打会に行かれる方がおられます。
多々あるゴルフ用具の中でスコアに直結するものといえば、第1に「クラブ」で、次に「ボール」だと思うのですが、今回の知テーマはゴルフボールのデザインについてです。

取り上げる事案は、ゴルフボールのディンプル(くぼみ)のデザインに関する意匠権が有効か否かについての争いです(平成21年(行ケ)第10208号(知財高裁の判決))です。
因みに無効審判を請求して「意匠権は無効だ!」と手を挙げたのは、世界的に著名なゴルフメーカーであるキャロウェイ(石川遼君のスポンサー)です。

●本件意匠の内容

意匠権者側が主張する本件意匠の特徴(要部)は、大多数を占める六角形のディンプルの中に、僅かに五角形のディンプルが混じっているという点です。
具体的には、一個のボールに計362個のディンプルがあり、そのうちの12個が五角形のディンプルということです。



●これに対してキャロウェイは、以下のような引用意匠を挙げて、「本件意匠は引用意匠に類似するから、本件意匠は無効だ」と主張しました。


●結果は、「本件意匠は無効」ということになり、キャロウェイ側が勝訴しました。
つまり、本件意匠に含まれる五角形のディンプルの数は、六角形のディンプルの数に比べて極めて少なく、五角形のディンプルは当業者の目には付き難いから、意匠の要部にならないとして、特許庁および裁判所は、キャロウェイの無効請求を認める判断をしました。


このように、本件意匠については、残念ながら無効となってしまいましたが、実際にはゴルフボールのデザインについては多数の意匠権が認められています。
つまり、ゴルフメーカー各社は、ディンプルの形状や配列や大きさについて日々研究開発を行い、従来とは異なるデザインのゴルフボールを開発した場合には、積極的に意匠登録出願をして、意匠権を取得しています。

これからは、ゴルフボールを選ぶ際には、メーカーやブランド名だけでなく、ボールの表面に形成されたディンプルの形や配列なども注意しようと思います。

(弁理士 森本聡)

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