2013年5月1日水曜日

損害賠償請求額が4105億!!


原告が国に対して4105億5626万円の一部である1626万円の賠償を求めた事件で、東京地裁は平成25年1月31日に原告の請求を棄却する判決を下しました。


本事例の具体的内容は、原告が著作権法77条1号の著作権の移転登録申請を行ったことについて、文化庁長官の行為に違法があり、これにより損害を被ったと主張して、被告に対して、4105億円の損害賠償及び遅延損害金の支払いを求めた原告Aの請求が棄却されたというものです。


「4105億円」って聞いて、『「4105円置く」とちゃうで』という、トミーズ雅のギャグを思い出した人は、私と同じ関西人でしょう。


本事例だけでなく、関係する訴訟もあるのでフローチャートにしてみました。





なお、原告が著作物であると主張する「受話器のマーク」は、インターネットで「受話器 マーク 著作権」のキーワードで検索すれば簡単にヒットするので、ご自身で見つけて下さい(グーグルでは「●●●ニュース」という記事が一番にヒットすると思います。このブログに「受話器のマークの図柄」を載せるだけで、著作権侵害と訴えられそうです)。


上記のフローチャートを使って説明すると、まず、平成22年に、原告は、三菱ビルテクノサービス株式会社などの133社を被告として、受話器のマークに関する著作権侵害を理由に、計5.000億円の損害賠償を求める訴えを福岡地方裁判所に提起しました。被告として訴えられた会社は、JR関係、電話関係、エレベータ関係などの会社や、高速道路公団など、日本を代表する名立たる会社等であったようです(51社分についてはその後に訴えを取下げ。訴額等は上記の●●●ニュースに拠ります)。


訴額が大きすぎて、それだけで笑えます。
裁判所に納める印紙代だけで5.000万を超えます。
なお、この福岡地裁の訴訟で被告側に就いた弁護士は、知財訴訟で有名な大阪のK先生とО先生だったと思います。


この訴訟において、福岡地方裁判所は、「本件図柄は著作物にあたらない。」、「著作権登録原簿に登録されていることを根拠として本件図柄が著作物であるという原告の主張は採用することができない。」として、原告の請求を棄却する旨の判決を言い渡しました。


そこで原告は、原告が本件各登録申請を行った際、文化庁長官は本件担当職員をして、原告に対し、本件各登録をしたからといって著作権の権利者という地位は保証されない等の説明をさせるべき職務上の法的義務を負っていたのに、これを怠った違法があると主張して、本事例のような4105億円の一部の1626万円の賠償を求める訴訟を東京地裁に提起しました。


これに対して、東京地裁は、文化庁長官がかかる義務を負うことにつき定めた法令はないこと、仮に文化庁長官が「著作物でないもの」や「著作物かどうか不明なもの」を著作権登録しているという事実を認識しているとしても、これにより文化庁長官が上記のような義務を追うこととなるわけではなく、その他文化庁長官がかかる義務を負うことを認め得る根拠もない。従って、原告の主張は前提を欠くものであり、採用することができない」と、判断しました。


金額だけで溜息が出てくる訴訟です。

以上
(弁理士 森本聡)


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