第1回に続き、第2回の「ゴルフと知的財産権」に関する話題です。
第1回のテーマは「ゴルフボールの意匠について」でした。
そして今回のテーマは「ゴルフコースのレイアウトの発明」についてであり、以下の2件の米国特許を紹介します。
米国特許第7651404号
まず、最初に紹介する特許発明は、“Select Pace Golf Course,”と題された米国特許第7651404号(USPN 7651404)です。
日本語に訳すと「(プレーの)ペースを選択(できる)ゴルフコース」となるでしょうか。
この特許公報には、従来のゴルフコースの問題点として、
「従来のゴルフコースは1番ホールから順番にプレーするように設計されており、ランダムな順番にホールプレーするようには設計されていない。」
「このため、一部のプレーヤーのプレーが遅いとイライラする。」
などと記載されています。
そして、以上のような従来の問題点を解決することを目的として、この発明では、平行方向に複数本のカート道を配置するとともに、これらカート道の伸び方向と垂直な方向に各ホールのフェアウェイを配置しています。
そして、このようにカート道とフェアウェイを配置することにより、スピーディなプレーヤーは遅いプレーヤーを避けて、空いているホールを安全に見つけて、ランダムな順番でホールをプレーできると記載されています。
ランダムな順番でホールをプレーするなんてことが現実に許されるのかはわかりませんが、気が付いたら同じホールを二度廻っていたというようなことがないように、プレーヤーには注意が求められそうです。
また、キャディの付かないセルフプレーで廻ったら、朝から晩まで帰ってこないプレーヤーも出てきて、それはそれで楽しそうです。
米国特許第6053819号
次に紹介する発明は、“Golf Course, Golf Park and Associated Method of Playing a Golf Game,”と題された米国特許第6053819号(USPN 6,053,819)です。
なお、この発明は日本にも出願されていますが(特表2002-502679)、我国では特許権を得るには至っておりません(審査請求をせずに、みなし取下げ)。
この発明のポイントは、要は限られたスペースの中で18ホールをグルグルと廻るというものらしいです。
木をグリーンの手前に移動させてきて、コースレート(コースの難易度)を変更することもできるそうです。
わざわざゴルフ場まで来て、同じ場所をぐるぐる廻るというのは、全く気乗りがしませんが、・・・。練習場であれば楽しめそうです。
なお、以上の2件の発明は、米国では審査官の審査を経て、しっかりと特許査定を得ています(特許権が発生しています。)
以上です。
(弁理士 森本聡)
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